N.Kさん I LOVE CANDON CITY
フィリピンでの一日は毎日とても長いもののように感じた。日本で過ごすよりもずっとずっとゆっくり時間が流れているようだった。同じ24時間のはずなのに、常に何かをしていたはずなのに、なぜあんなにもゆっくりに感じたのだろう、と思ったけれど、日本にいるときは常に何かをしていることって実はあんまりなかったかもしれない。日本にいる間は意味のない時間を過ごしていることが多かった気がする。何もしていないわけじゃないけれど、そのときにしていたことは記憶に残るようなものではない、ということが多い。それに比べて、フィリピンで過ごした2週間は、記憶に強く焼き付くような新鮮な経験を毎日、常にしていた。それはきっとホストファミリーやフィリピンの人、RASAの人が、私たちによりたくさんの経験をと考えてくれたことも大きいのだろうと思う。
台風が来ていたため初日からすごい雨で、今回は着いてすぐに土日で、ホストファミリーと自由に過ごすという日程だったけれど、両日ともに安定しない天気。道路も浸水。でもそんなこともフィリピンの人はイベントの一つに変えてしまうからすごい。日本だったら、危険だからと、必要以外は家の中で静かに過ごすだろうところを、散歩に行こう!と、まだ雨が降るなか傘をさして、浸水した道路を歩いて近所を散策。どこの家も子供だけではなく大人たちも楽しそうに外に出てきている。小さな子たちは、水につかりながら自転車に乗ってみたりキックボードに乗ってみたりととっても自由。大人たちもその姿をほほえましそうに見ている。日本でこんなことをしたら、汚い!とか危ない!とか言って怒られるのだろう。日本もこれくらい自由で心にゆとりがあればなあ、と思った。日本人は過剰に反応しすぎなのかもしれない。だって実際にフィリピンの子たちは自由に素直に健康に育ってる。中には家の中にまで浸水してきてそれどころじゃないという家もあったようで、そういう家にお米を配るのもお手伝いさせてもらった。この配り歩くという行為も私にはとても新鮮なものだった。そもそも私は近所の人がどんな人で、何人で暮らしているのかもよく知らない。でもフィリピンではこれがあたりまえなのだというようで、フィリピンの人たちにとって近所の人は知らない人じゃないんだ、ということを知った。こんなふうに地域全体がお互いを気にしあい、声を掛け合うって素敵なことだなあと、配り歩く姿を見て思った。フィリピンに来て最初の休日から日本ではできない経験と思いをたくさんさせてもらえた。
着いて最初の夜はとても不安で、英語もろくに聞き取れない、話せない、雨はすごい勢いで降るし、一人で行く知らない場所の夜のトイレは怖いし、本当に2週間もやっているのかと思った。けれど、朝起きたらパパとママが笑顔でおはようと言ってくれて、おばあちゃんが抱きしめてくれて、お昼には真ん中の女の子が日本語で話しかけてくれて、夕飯のときには箸を一緒に使ってくれたり、私が英語が苦手だからと日本語を調べてコミュニケーションをとってくれたり、ホストファミリーがしてくれるすべてが、どれもすごくうれしくて、すぐに不安はなくなった。それと同時に与えてもらうばかりで申し訳ない気持ちにもなった。たった2週間でも、英語が話せなくても、家族になることができたのは、みんなが常に私に寄り添ってくれたからだ。最初は、不安からとても長いもののように感じていた2週間も、過ぎてみればあっという間で、もっともっと一緒に過ごしたかったし、うまく気持ちを伝えたかった。私は本当に楽しかったしうれしかったし本当の家族のように感じていたけれど、英語の話せない私の気持ちはどこまでホストファミリーに伝わったんだろう。次行く時までにはもう少し英語を話せるようになって、自分の気持ちを自分の口から直接みんなに伝えたい。そして初めてできたもう一つの家族を大切にしていきたいと思った。
A.Sさん 「心優しいフィリピンの人たち」
私がフィリピンで過ごした2週間は毎日がとても楽しくて、優しさや愛情など色々なものをもらいました。フィリピンに着いて2日目くらいまで私は緊張していて、英語を話せないのもあって、ホストファミリーに自分から話しかけることがあまりできませんでした。けれど、ママはそれを察してくれて冗談を言ったりして私を笑わせてくれ、ホストシスターのリカやステファニーも一緒に遊んでくれて、私を受け入れてくれました。その日から毎日楽しく過ごすことができました。その中で、とても印象に残った出来事がいくつかあります。ホストファミリーと一緒に観光地を巡るプログラムがありましたが、天候が悪いために中止になってしまうことがありました。そこで、グランドマザーが「雨の中で水遊びしよう」と言い出し、近所のみんなで大人も子供も関係なく、雨が降っている中で傘をささずに水をかけあって遊び、とても楽しかったのを今でも思い出します。日本でもそんなことはしたことなかったし、これから先もこんな遊びはできないので、いい経験になりました。また、ホストブラザーのエリクソンはネイルをしてくれたり、英語ができない私に英会話のレッスンをしてくれたり、フィリピンのことをたくさん教えてくれました。リカやステファニーはタガログ語を教えてくれて、その時間は本当の姉妹みたいで、幸せな心温まる時間を過ごすことができました。ママは、私が風邪を引いた時、夜中に咳きこんでいると、そっと白湯を持ってきてくれました。また、私の部屋やベッドシーツを綺麗にしてくれ、私が使っていた扇風機や作業で泥だらけの靴も綺麗に洗ってくれました。日本ではそういうことは全部自分でやらなければいけないので、ママがしてくれるすべてのことが新鮮で、ママの気遣いがとても嬉しかったです。将来私もママみたいなお母さんになりたいと思いました。日本では、家族みんなでご飯を食べることや会話をすることはほとんどなく、それが当たり前になっていました。けれど、フィリピンで、家族みんなでご飯を一緒に食べたり、食後にみんなで談話したりと、家族で過ごす時間がたくさんあり、そのような時間は心が休まり、幸せを感じました。日本も昔は家族みんなで過ごすことが当たり前だったけれど、現代はみな時間に追われる生活で、家族が揃う時間が少なくなっており、人々の心は孤独を感じているのではないかと思います。ホストファミリーに出会って、大切なものは何か、気づくことができました。
私は今回のフィリピンボランティアに参加して、本当に、本当によかったです!この2週間の思い出は絶対に忘れません!ありがとうございました!!!!!カンドン市の人たちに出会えてよかったです♪I love Candon city ♡
Y.Sさん フィリピンで感じたこと
今回のRASAでの活動は、これまでの自分の生き方や考え方を変える良い機会となった。新しい多くの経験、出会いをした事で自分の価値観を広げ、人間的に成長できたと感じる。以前の自分は、学校・部活・バイト等で自分の時間を作ったり、遊んだりする事をあまりしてこなかった。常に切羽詰った状態で生活をしていて、それで満足していた。決して、今までの自分を否定するわけではないが、フィリピンでの生活はこれまでの自分の生活とは全く違った。日本に比べれば、食事や水周りの事は劣っているのは明らかである。しかし、フィリピンには「時間的余裕」があった。時間的余裕があると、家族や友人と会ってコミュニケーションを取れる時間が増える。要するに「人と人とのつながり」が強くなり、日本にはない温かさを感じる事ができた。日本では、ソーシャルネットワークの発達により、人とのつながりを電子機器によって行う事が多くなってきた。これは、非常に寂しく感じる。無駄に便利になりすぎたのかもしれない。また、時間的余裕があると自分自身と向き合う時間も増やす事ができる。一人の時間は、自分を最も成長させる事ができると私は思う。勉強や部活で他の人と差をつけたり、趣味に費やしたり、自分だけのオリジナルな人間を形成する機会である。今後、この経験を生かして生活していきたいと思う。
そして、RASAでの経験を通して人間性についてよく考えるようになった。フィリピンでは、ホストファミリーに限らず多くの人が自分のために力を貸してくれた。損得を考えて行動するのではなく、自分を犠牲にしてまでも力になってくれた。また、どこの家庭でも笑顔が耐えなかった。このような事が当たり前にできる事は素晴らしいと感じたし、私自身とても幸せな気持ちになれた。人間性を磨く事は難しい事だが、少しずつでも良くしてフィリピンで出会った方のような温かい人間になりたい。最後に、今回の活動でお世話になった皆さん。素晴らしい経験を、機会を与えてくれてありがとうございました。このRASAで感じた事は、今度にも役立つ事が多かったと思います。残りの大学生活では、できるだけ多くの国や地域に足を運び、自分の価値観を広げて成長していきたいと思います。
M.Sさん ボランティアで感じた事
このプログラムに参加したきっかけは、昨年度のプログラムに参加していた友人の体験談でした。異文化体験談を聞き、フィリピンでの活動写真を見て、純粋に“楽しそう!”と感じ、何より話している時の友人の顔が生き生きと魅力的だったので、参加を決めました。英語で話す事に苦手意識があった私は、参加を決めてから、海外での生活が不安でしょうがありませんでした。実際に行ってみると、確かに英語を話さざるを得ない状況に苦労した事は多々ありましたが、それ以上に大切な事に気づかされました。それは、伝えようとする思いや、その思いを受け取ろうとする事です。それさえあれば、英語が話せなくても、コミュニケーションは成立するのだと実感しました。また、異文化を経験した事で、日本の生活の豊かさに気づかされました。日本では上下水道が通っている為、暖かいお湯がシャワーから出てくるし、暖かいお風呂に浸かる事も出来ます。それに、トイレではトイレットペーパーごと流しても水洗する事が出来ます。それが当たり前だと思っていた私にとって、シャワーが冷たい水しか出てこない事や、トイレはバケツに水を溜めて流さなければならない事は衝撃であったと同時に、“当たり前”という風に、捉えてはいけないのだと感じました。反対にフィリピンの豊かさにも気づかされました。フィリピンの人は家族と過ごす時間をとても大切にしています。子供たちの事を“baby”と呼んで家族みんなで可愛がり、挨拶をきちんとします。そういった基本的なコミュニケーションを大切にする事が、人との繋がりが強め、心を豊かにしてくれるのだと感じ、私も、日本に帰ってきてから、家族との挨拶をきちんと行う事を改めて心がけるようにしています。日本人は労働時間が他の国と比べて長いからこそ、家族との貴重な時間をもっと大切にすべきだと思います。そういえば、私が小学生の頃は、夏休みになると公園の遊具や砂場でよく遊んでいたのですが、日本で今年の夏休みの初めに、同級生と久しぶりに大きな公園にスポーツをしに遊びに行った際、小学生の姿を全く見かけませんでした。きっと家の中でゲームをしたりしていたのでしょうか…そういった文化の発展により、子供たちの元気の良さが失われていく事は非常に良くない事であると感じたのですが、フィリピンに来てみると、外で駆け回って遊ぶ子供たちを見て、本来子供はこうあるべきだと感じました。フィリピンでも徐々に携帯やI pad等の機器が普及しつつあるようですが、文化が日本に近づいてきている事によって、フィリピンの良さを失って欲しくないです。どうか、守り続けてほしいと心から願います。
私のホストファミリーも家族を大切にしており、私に対しても本当の家族のように接してくれました。フィリピンの伝統的で美しい様々な場所へ連れて行ってくれました。私が最も印象に残っているのは、Viganの風景です。真っ白な教会の前には大きな噴水があり、夜になると、賑やかな音楽と共に噴水に映像が映し出されます。日本でこんなに大きくて綺麗な噴水は見たことがありません。また、約300年前にスペイン人によって建てられた建物も美しいです。白を基調としており、夕方になるとライトアップされとても綺麗で、その雰囲気が大好きになりました。その他にも、行きたいといった所全部へ連れて行ってくれて、私は一人の時間も好きなので、一人部屋にしてほしいという我儘にも、嫌な顔一つする事なく応えてくれました。本当に、言葉では表しきれない程の感謝でいっぱいです。きっと、このホストファミリーじゃなかったら、私はこんなにも楽しくフィリピンでの生活を送る事は出来なかったと思います。
プログラムの最後に、マニラのスモーキーマウンテンに行った際は、貧富の差を目の当たりにしました。いわゆる“スモーキーマウンテン”と呼ばれるごみの山は、シーランド先生率いるRasaやMother Lauraの活動や現地に住む人が政府に働きかけた事により改善されつつあるようで、地層からごみが見えてはいるものの、草やバナナの木が生えていて、もう積み上げられる事はされなくなっていました。しかし、バスを降りて実際に人が住んでいるアパートを訪問した際、何とも言えない強烈な匂いがして、ボロボロでいつから着ているのか分からない服を着て、働いている同年代位の子を目撃しました。それはとても重たい光景で、この活動の重要性を感じました。
K.Sさん ~フィリピンで滞在して~
今回のRASAに参加したことは、私にとって2回目の学校建設ボランティアであり、3回目のフィリピンであった。なので、ある意味では慣れていたこともあってか、以前みたいに全てが新鮮であり毎日が驚きの連続になることはなく、日常でビックリすることは少なかった。けれども逆に、今まで気付かなかった新たな発見をしたり、今まで行った所とは同じフィリピンでも異なる部分などを感じることが出来て、大変興味深かった。また、さらにフィリピンについて考えるキッカケにもなったし、改めてフィリピンの良さを感じる機会にもなった。
その中でも、特に印象に残ったことがいくつかある。1つめは、カンドンの人の生活である。昨年の学校建設ボランティアを行ったアンヘレスとは、様々な点で異なっていた。アンヘレスは、カンドンよりも遥かに都会であったので、私は行く前からすでにカンドンはアンヘレスよりも田舎で所得水準も低いので、ホームステイするのは大変そうだなと思っていた。しかし、実際に行ってみたら、そんな私の想像とは全然違っていた。確かに、カンドンは田舎で所得水準もアンヘレスに比べたら低いけども、その分、人の温かみや時間へのゆとりをたくさん感じた。というのも、アンヘレスは核家族化が進み、近所に親戚は住んでいるけどすぐ近くではなかったのに対し、カンドンは子どもが多く、親戚一同が同じ一帯に住んでいた。みんなホストファミリーの一族だったので、すぐに仲良くなれたし、私のことをすごく気にかけてくれて、あそこで楽しく過ごすことが出来た。深夜0時までカラオケパーティーしたしね(笑)。また、ホストファミリーは朝起きる時間も日によってまちまちで、アンへレスの人と比べて時間に対してはとてもルーズに思えた。仕事が農業だったので、始業時間が決まってなかったからかもしれないけど。2つめは、カンドンでの食事についてである。予めカンドンの人は野菜を食べるとは聞いていたけれども、予想以上に食べていてホント驚いた。なんと、野菜だけの料理があったのである! 日本人からしたら、たいしたことはないと思うけれども、アンへレスの人は肉をメインで食べており、野菜は肉料理に申し訳ない程度しか入ってなかった(笑)。また、ホストマザーが生鮮食品市場で魚の卸売りを営んでいたため、ほぼ毎日魚介類を食べることも出来た! アンへレスでは、たまにティラピアとエビを食べるぐらいだったのに(笑)。なので、カンドンの食材豊かな地域ということに、私はとても気に入った。3つめは、やっぱりホストファミリーについてである。私のホストファミリーは英語をほとんど喋れなかったので、最初はすごくコミュニケーションで悩む日が続いた。それに、良くないことだと分かっていたけれども、どうしても去年行ったアンへレスのホストファミリーと比べてしまい、色々葛藤し一時的に彼らとのコミュニケーションを避けてしまうことをしてしまった。そんな時でも、彼らは私をすごく気にかけてくれ、話しかけようとしたり、楽しませようとしてくれた。後に、私はそれに気づき徐々に打ち解けていって、最後には別れるのがとてもツラく感じた。そんなホストファミリーを、私は一生忘れないだろう。そして、またいつか、彼らに会いたいと思う。
最後に、こんな素晴らしい経験出来る機会を作ってくれたスタッフのみなさん、一緒経験することが出来たみんな、ありがとうございました!