フィリピンでは学校給食制度がほとんどなく、貧困家庭では1日1食の食事がやっとです。
給食支援活動は、極貧家庭の栄養失調の子どもたちに給食を支給し、健康維持と成育に寄与することを目的とする活動です。
親から子どもへと繰り返される貧困の連鎖は、生きていくための基礎教育を受けていないことが原因です。
空腹で授業に集中できない、基礎学力が身につかない。これらを克服するために、子どもたちの空腹を満たし、通学や学ぶ機会を充実させ、学力を向上させます。さらには、子どもが自立して生きられるようにとつなげていきます。
2006年 セブ州で給食支援活動を開始。現在では、ラグナ州の小学校にて100人の児童を対象とし給食を支援しています。
サウスビル栄養失調児救済事業(ラグナ州)
ルソン島ラグナ州サウスビル第1小学校の場合、全校児童約6,000人のうち欠食児童は約1,500人。
この1,500人の中から最も状態の悪い児童100人を選んで受給児としています。
ある程度改善された児童はさらに状態の悪い児童と入れ替える予定です。
心が痛みますが、現状では資金的な限度がありますので、地元の自立・発展に期待するしかない状態です。
2015年6月から新体制でスタート。
アイーダ・V・マラーニャ校長の指揮の下、フィナンシャルレポートやメニューも整えられています。
開始より1ヶ月ごとに対象児童の身長、体重の測定リストも報告されています。
開始してから4ヶ月目の報告では、かなりの児童の状態が改善してきました。
この活動により、給食を受けた子どもに大きな改善の成果が見られ、ラグナ州教育省から表彰を受けました。
これからもできるだけ長く継続支援していきたいと強く思います。
1食予算は日本円で98円ほどです。
皆様からのご支援をよろしくお願いいたします。
2016年より、Study Tourを開始
夏休みを利用して学生ボランティアを現地に約1週間派遣、ホームステイで異文化を体験しながら給食活動や日本語授業等を実施することで、子どもたちとの交流を行います。
コロナ禍で「給食支援」から「食品配付支援」へ
2020年3月新型コロナウイルス感染症拡大のため、外出や行動制限措置が取られ休校となり、給食支援が停止しました。
同年6月に制限が緩和されたため、お米を購入して安全に配達できる地域の支援対象児童50人に配達、コロナ禍で食べることに困窮していた児童だけでなく家族にも大きな支援となりました。
その後も都市封鎖の繰り返しで、1年以上休校が続きました。
そこで「できる支援」を学校側と協議して、2021年5~7月に7週間分の食品配付支援を行いました。
支援対象児童を100人から140人(幼稚園~小学6年生までの7学年 各20人)に増やし、学校側に児童の選定と配付場所の準備、感染予防対策等を依頼。
当団体では食品の購入や運搬・仕分け等人的協力が必要なため、現地スタッフを配置して、無事全て配付することができました。
フィリピンでは学年度が6月~翌年3月でしたが、コロナ禍を機に9月~翌年6月と大幅に変更しました。
そのため、9月の新学年度開始に伴い、給食支援は再開不可能なため、食品配付で支援の継続を決定しました。
◆対象児童 140人(幼稚園~小学6年生までの7学年 各20人)
・極貧世帯で食べることに困窮している栄養失調児童
・貧困で食事がとれず、登校する体力や意欲が無く小学校を留年・退学する可能性の高い児童
◆食品選定
①成長期に必須の栄養素が取れる食品の組み合わせを重視
米、卵、粉ミルク等
②安全に保管できるもの、衛生面も配慮―冷蔵庫や熱源等が無い家庭が多い◆予算 1人につき約100円/日×140人×授業日数(205日前後)
現在も支援継続中ですが、円安と物価上昇で配付食品数が減少しております。
食品の質と量を落とすことなく、命をつなぐ支援を継続していきたいです。
皆様からの温かいご支援を何卒よろしくお願いいたします。
栄養失調児救済事業の沿革
2011 | Southville 小学校の近くの民家で給食開始。 学校建設時に極貧の家庭欠食児童15人に給食の支給支援を懇願され、緊急を要することで、予算も計画もないまま、現地でスタート |
2012 | RASAから支援694,000円サポート。 資金難でも次年度継続遂行のために、助成金の応募し、合格 |
2013 | MORIKORO 基金から803,000円助成金受けた。 助成金を受け、現地と綿密な打ち合わせで、25名で1年間実施 現地責任者Emma 他3人の人件費含む。 |
2014 | RASAからの資金で50名の給食を1年間実施。 昨年同様Emma 責任者で管理運営ずさんな会計、資金の不正流用が判明。 担当を外し、支給場所を年度末に移し、学校に運営管理を依頼し、学校長と契約を結ぶ。 |
2015 | Southville 1 小学校で、管理運営を引き受けてもらい、給食づくりで3人雇用。 ・欠食児童1年生から6年生から支援必要度の高い欠食児童50人を対象に支給。 ・固有の給食室準備してもらい、 ・校長が責任者で、先生2名がコーディネイター、調理人1、ヘルパー2名を雇用。 ・毎月 出欠データ、体位測定、会計報告、写真等報告を受ける。 ・6月から翌年3月までの学校年度で実施。 |
2016 | ・同校で、支援児童数を2倍の100名(対象を5.6年生各50名)に支援を増やす。 ・小学校を欠席したり、落第することなく卒業できるように、高学年を校長が選定。 ・メニューに、ミルクを毎食加える ・ラグナ州教育省からRASAのFeeding Programが成果を認められ表彰される。 極貧の児童の体位向上、学習意欲が向上し、生き方が前向きになった。出席率改善、6年生対象児童全員卒業という目覚しい実績により、ラグナ州から、表彰受賞。 ・8月給食活動と授業の第1回Study Tour実施。学生8人ボランティアと、ホームステイ、学校での調理実習等を学校の協力を得て行う。 |
2017 | ・給食室の設備改善(扇風機、照明、電源、調理場所改装、床タイル張り、壁面塗装)、手洗場の新設 ・同小学校前年と同様の活動。メニューにビタミン剤を毎食加え、児童の発育健康維持に寄与する。 ・今年度も、ラグナ州教育省からRASAProgramの成果に対し、表彰される。 ・8月給食活動と授業の第2回Study Tour実施。学生13人ボランティアと、 ホームステイ、学校での調理実習、食品購入等を学校の協力を得て、行う。 |
2018 | ・新校長とFeeding Program 実施の協力依頼と実施の内容の契約、Study Tour の打ち合わせに、5月出張。 ・第3回Study Tour 9月2日~9日実施。 |
2019 | ・Feeding Program 実施の協力依頼と実施の内容の契約、Study Tour の打ち合わせに4月7日~14日出張。 ・第4回Study Tour 8月25日~9月2日実施。歯科医の小宮様からご寄付いただいた「英語版歯磨き指導シート」を、給食支援児童と学校に150枚寄贈。 ・カブヤオ市教育省から感謝状をいただく。 |
2020 | ・3月 新型コロナウイルス感染症拡大のため、休校となり、給食支援も停止状態となる。 ・新型コロナウイルス感染症拡大のため、StudyTour中止決定。 ・6月 外出・移動制限が緩和されたため、給食支援残金で支援対象児童50名に米5㎏を配達。 |
2021 | ・1年3ヶ月休校中の学校と協議し、給食に代わり食品配付を5~7月に支援対象児童140名(幼稚園~6年生までの7学年 各20名) に行う。 そのため、現地スタッフを配置する。 ・教育省の方針で学校年度が6月~翌年月から9月~翌年6月に変更となる。 ・9月 新年度が開始するも給食支援は感染防止のため停止、食品配付支援を継続。 ・ラグナ州教育省から食品配付支援活動に評価をいただき、表彰を受ける。 |
2022 | ・7月 現地で支援継続の確認を行い、8月契約。食品配付では児童だけでなく家族も恩恵を受け、大きな支援だと感謝されている。 ・9月 現地新年度開始に合わせ、食品配付支援を継続開始。 ・活動に評価をいただき、カブヤオ市教育省地区表彰を受ける。 |