フィリピンの恵まれない児童に学校を! 給食を! 教育こそ貧困の連鎖を断ち切る力になる

なぜ、フィリピンなのですか?

 シーランド神父さんから理事長のバトンを受けた2代目理事長<藤井典夫>は現役時代の1995年から3年間、社名によりマニラの南約60キロあるラグナ・テクノパークで会社設立、用地買収、従業員の採用など操業開始までを手掛けました。
 彼は異国での法律の下で、事業所開設、工場建設という仕事をやってのけました。これは賄賂が普通の国では大変な苦労を伴ったことだったようです。
 特に操業開始直後の1997年に起きたタイ国の通貨危機の影響を受け、生産計画は半減以下となり、操業開始のために採用し教育訓練を積み重ねたやる気満々の従業員の約半数が生産台数激減のため余剰人員となりました。彼には採用したばかりの人たちを解雇しなければならないというつらい仕事が待ち受けていたのです。
 憧れの日系企業に本採用されたのに、それが夢と消えた人たちの家庭を一軒一軒訪ね歩いて‟クビ”を宣告しなければならないこの辛さは筆舌には言い表せない辛さと悲しさでした。次の家に向かう「一歩」が億劫で出なかったといいます。
 フイリッピンの雇用は、失業率が高い国なので雇用されればいい方でした。そのうちの大半がプロビンシャル・ワーカーなのです。つまり最長で6ケ月の期間雇用ということです。次の雇用は約束されていません。生活安定のため‟本採用になりたい。”というのがフイリッピン労働者の願望なのです。
 本採用どころか‟クビ”が宣告されることの辛さはいかばかりかと思うと彼はしばらくは放心状態が続き、企業トップとして必要な冷淡な心が持てない彼は、“くびきり”を仕事として割り切れない自分をどうすればよいのやら、日本の親会社からは毎日のように“くび”を切った数の報告を求められ悩みは深まるばかりであったそうです。
 2000年に定年退職を迎えた2代目理事長は、シーランド神父さんが推進されている「フィリピンの恵まれない子どもたち」の教育支援事業を現役時代に‟くび”を切ったせめてもの罪滅ぼしと思い、フィリピンの事情に数倍詳しい自分の出番だと思い、2003年からRASAに関わったのでした。
 現役時代、“くびきり”のために多くの家を訪問しました。訪問先の従業員の家はとても人の住家というにはほど遠いものばかりでした。電灯さえない家もありました。彼らは‟くび”さえ切られなかったらこの貧しさと決別し、貧しさの連鎖を断ち切っていたかも知れません。申し訳ない気持ちは今も続いているそうです。

 

 

フィリピンについて

首都
首都はマニラ。正確には「メトロマニラ」。
マニラ市、マカティ市、パサイ市、ケソン市などの都市の総称。
面積
約30万Km(日本の約8割)。
全国で115の都市があります。大小7109の島々からなる群島国家。
島の数はインドネシアについで世界第2位。
名前がある島は約4600で人が住む島はそのうち2000ほど。
約5000の島は無人島です。
(首都マニラがあるのはルソン島。フィリピンは大きくルソン、ビザヤ、ミンダナオの3地域に分けられます。)
気候
熱帯性気候で1年を通じて温暖、平均気温は26~27℃。
6~11月が雨期、12~5月が乾期と分かれているが、地域によりかなりの格差がある。
人口
全人口約9,485万人(*1)で、マニラ首都圏に約1,186万人(*2)
民族構成
マレー系が主体で、中国系、スペイン系、その他3.5%
言語
公用語はフィリピン語(タガログ語)ですが、地方によってはかなり方言が異なります。
ミンダナオの一部ではスペイン語も使われている。
英語は共通語でほぼ全域で通じ、英語を話す人はアメリカ、イギリスについで世界第3位。
宗教
国民の約83%がローマカトリック。
パブティスト派、メソジスト派、モルモン派など、キリスト教だけで90%を超えます。
イスラム教5%、その他2%、アジアの国々の中ではカトリックが最も多い。
時差
日本との時差は1時間。日本が1時間早い。
例えば日本の午前9時はフィリピンの午前8時
通貨
通貨単位はフィリピン・ペソとセンタボ。
※1ペソ=約2.28円 (*3)
経済
主要産業
1.農林水産業 全就業人口の約30%が従事 (*4)
2.サービス業 全就業人口の約55%が従事 (*4) BPO産業が急成長

フィリピンの経済事情

GDP2014年
2,849億米ドル(*5)
一人当たりGDP2014年
2,865米ドル(*5)
経済成長率 2014年
6.1% (*5)
失業率 2014年
6.8% (*5)
貧困層 2011年
3,842万人(*6)
(推定)
人口の約3割が1日2ドル未満
平均世帯年収
2012年
23万5千ペソ(*7)
平均世帯年収
(上位10%)
2012年
71万5千ペソ(*7)
平均世帯年収
(下位10%)
2012年
6万9千ペソ(*7)
10倍以上の開き
ジニ係数(*8)2012年
0.46(*7)
エンゲル係数(*9)2012年
0.42(*7)
(下位30%は0.62)
出典
(*1) 2013年 世界銀行
(*2) 2010年 フィリピン国勢調査)
(*3) 2017/05/13レート
(*4) 2015年1月フィリピン国家統計局(PSA)
(*5) フィリピン国家統計局(PSA)
(*6) 2011年 アジア開発銀行
(*7) 2013年フィリピン国家統計局(PSA)
(*8) ある国で所得が完全に均等に分配されている場合はジニ係数が0となり、1に近づくほど不平等度が高いことを意味する。0.4が社会不安定化の警戒ラインとされ、0.5は上位25%で全所得の75%を占めている状態。
(*9) エンゲル係数の値が高いほど生活水準は低いとされる。
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